ここ数年前のことですが、古民家の再生が大きく取り上げられるようになってきました。それまでも古民家ファンというような人もいましたし、街並みの保存が各地で始まっていたのでそれが古民家再生の温床になっています。
街並みの保存は、30年ほど前全国各地で始まりましたが、これは当時開発に次ぐ開発で歴史的環境の破壊が常習化していることに抵抗する、住民運動として開始された背景を持っています。古民家の再生も保存から出発したことは確かですが、少し違っています。
古民家に住んでいる人が住み続けてきて懐かしさも愛着もあるけど、この家ではもう住み続けるのは困難になってきた。どうしたらよいのかと悩んでいる住み手に対して、この家を現代の住みやすさを持った家にすることができると答えた、建築家の言葉によって始まってきました。
古民家再生はそのまま直すことではないといえます。住み手が住んできた古民家に愛着することが少なく現代の生活として住みやすい家は、新築以外にないと思っている人だったら一もなく二もなく取り壊してしまいます。
壊してしまうと二度と戻らない家になってしまいます。いいところは残し、要らないところは改装するというのが古民家再生になります。取り壊されてしまった古民家がたくさんあったので、古民家が激減してしまいました。