日本の原風景として、わたしたちの心の奥深くに刻まれている古民家のある田舎の風景は、昨今大きく見直され始めています。
古くから日本の風土に溶け込み、今もなお現役として利用されている独自の建築様式を持った古民家は、今後も環境に優しい伝統住宅の在り方として、日本の住文化の一角を担っていくことでしょう。
そんな古民家だからこその魅力と言えば、まず何と言っても風格のある外観ではないでしょうか。
日本の風土や自然に根付いた自然素材で構成された住宅は、長い年月を経れば経るほどに、だんだんとそれに相応しい風格を備えてゆくものです。
風雨に耐え抜くことを前提として組み上げられた木々たちは、自然環境の中で少しずつ趣のある古材へと変化し、木で言うと年輪のような風合いと格調を少しずつ増してゆきます。
付け焼刃のアンティーク加工や新材では決して醸すことのできない重みと味わいが、そこには刻まれてゆくのです。
人類が悠久の時をかけて培ってきたあらゆる住宅の建築様式には、それぞれ個々の魅力があるものですが、古民家にもまた、それにしか出せない味わい深い魅力があります。